須田さんのひとりごと
POG的に言うと、07-08シーズンの締めくくりであると同時に08-09シーズンの開幕を意味する日本ダービーが、いよいよ今週末に迫っている。勝負付けが済んでいる人もそうでない人も、次なるドラフトに向け、指名馬に迷っている時期だろう。そこで今回、須田さんが示す教訓を生かしてみてはどうだろうか。
第27回 ダービー登録馬から見る競馬の現状
いよいよ2005年生まれ世代の総決算・ダービーが近づいてきたが、同時に今は2006年産のドラフトシーズンでもある。そこで今回は以前にも似たテーマを設定したが、ダービー登録馬から新年度ドラフトへの教訓を探すという形でお送りしたい。
まず、以前に書いた「結局サンデーの血が席巻している」という話はオークス1〜3着馬がすべて「SS銘柄」となり、ますますその傾向を強めた。
ちなみに、ダービーの場合は登録26頭に対し、父がSS系という馬が半分の14頭、母の父サンデーサイレンスが4頭。
この世代の出走済牡馬で、父がSS系というのは496頭、母の父SSは106頭。単純に考えると、後者に網を張ったほうが効率はいい。ただ、後者はサクセスブロッケン、ナンヨーリバーといったダート活躍馬が多いことや、非社台グループにも活躍馬が多いことから、ドラフト時点でキャッチするのはなかなか難しい。
一方で、ダービー登録馬の父SS系・14頭の内訳をみると、9頭の種牡馬が名を連ねることとなった。
一時はアグネスタキオンの一人勝ちかと思われた「跡目争い」だが、ここへきて戦いは均衡化しつつある。ネオユニヴァースが加わる今年は、さらにその傾向が強まるだろう。
となると、指名妙味があるのは「タキオン、ネオといった人気どころ以外をドラフト下位で」というパターンだろう。特に狙いたいのはマンハッタンカフェ。意外に2歳戦から動けるし、当たると重賞級まで育つ。社台グループ産駒の活躍産駒が極めて少ないので指名は難しくドラフト上位向きではないが、下位での穴狙いには向く。
さて、血統を離れて登録馬を眺めてみると、他のファクターでも血統と同様に「均衡化」が進んでいるように思える。
POGには「良いとされる属性」があるが、その属性の中での人気最上位クラスでなくても、最終的に出世するチャンスは十分あるということだ。
例えば「アドマイヤ」冠の馬は松田博資厩舎が人気の主流だが、今回ダービーに駒を進めたのはかつてのメインステーブル・橋田厩舎のアドマイヤコマンド。
セレクトセール組はどうしても超高馬が人気になるが、今回1億円以上の馬の登録はクリスタルウイングだけで、あらゆる価格帯から登録馬が出ている。
マイネル軍団では近年、かつて圧倒的な東のメインステーブルだった稲葉厩舎の存在感が低下していたが、今年はマイネルチャールズが大活躍している。
推測だが、日本の競走馬はSS直仔がいなくなって、上位馬どうしの標準偏差が小さくなっているのだと思う。よって、「良い属性」の中でさらに1番人気の馬を取っても、その争いを避けて2〜3番手のグループを取っても、結果に大きな違いは無いというわけだ。
ならば、流行が発生したときにそれを追いかけていくのではなく、敢えて立ち止まって「競合の少ないドラフト」を試みる価値はあるだろう。そういった中穴狙いタイプのドラフト戦略が、今年は生きるのではないかと思う。
次回の公開は6月12日(木)です。今シーズンの総決算をお送りします。
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PROFILE
- 須田鷹雄
- 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。大学在学中に別冊宝島「競馬ダントツ読本」でデビュー。以後、競馬雑誌の急増を受けて競馬ライターとしての活動をはじめる。平成6年、JR東日本に就職し、西船橋駅に配属。平成8年、JR東日本を退社し、本格的にライター業をスタートさせる。各種新聞・雑誌に寄稿するほか、テレビ・ラジオにも出演。POG(ペーパーオーナーゲーム)の達人としても知られ、監修を務める「POGの達人攻略ガイド」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書といわれている。主な出演番組にクラシックパーク(グリーンチャンネル)、ドラマチック競馬(北海道文化放送)ほか。「競馬総合チャンネル」や「netkeiba.com」でもコラムを連載中。
