須田さんのひとりごと
今週は名馬への登竜門・ラジオNIKKEI杯2歳Sが控えているが、ひと足先に、今年の2歳戦を顧みた上で、来年のPOGに向けた指名馬選びの注目ポイントを挙げてもらった。厩舎、種牡馬、生産牧場の3要素から、須田さんの気になることとは?
第16回 来年の指名馬選びの注目ポイントを整理しよう!
ちょうど全日本2歳優駿(交流GI)が終わったところでこの原稿を書いている。
その全日本2歳優駿はイイデケンシン(牡、父サンダーガルチ、母ヘヴンリーアドヴァイス、栗東・昆貢厩舎)が優勝。早期デビュー馬ということで指名していた方も多いだろうが、一本釣りは難しかったかもしれない。それでも、今年はキャプテントゥーレ(牡、父アグネスタキオン、母エアトゥーレ、栗東・森秀行厩舎)も走っており、やはり早期デビュー馬にはそれなりの魅力がある。下手に「これこそが当たりだろう」と惚れ込むのではなく、取れる順位で取れる馬を自然に指名し、それが当たれば儲けもの……というスタンスで臨むのがいいのではないだろうか。
さて、2歳戦の大きいところが一通り終わったので、ここまでの結果を踏まえ、来年注目したいファクターというものを整理しておきたいと思う。
厩舎は関東では斎藤誠……といきたいところなのだが、現実問題として、高馬が入るところのほうが打率も高くなるという面がある。そこで、古賀慎明厩舎。現2歳世代は8頭がデビューして6頭が勝ち上がっている。トレーニングセールで値段が過熱しすぎたトーセンステルス(牡、父Pulpit、母Lady's Legacy)やサトノウインク(牝、父ボストンハーバー、母ウインクアットデエンジャー)も勝ち上がりを果たしており、非常にヘッジが効いている感じだ。同じ血統でも藤沢和雄厩舎に入るのと古賀厩舎とでは人気が倍違うと思うのだが、当たる確率はたぶん同じくらい。良血 + それなりに早いデビューの雰囲気 + あまり目立っていない、という条件を満たす馬を探したい。
関西は川崎で勝ったからというわけではなく、昆貢厩舎をはじめ、池添兼雄厩舎、藤岡範士厩舎、西園正都厩舎、本田優厩舎など、山内研二厩舎と馬主が重なっている厩舎に早期デビューの穴が潜むことになるような気がする。次回の赤本では、「早ウマ」コーナーでその辺りを意識した取材をしてもらうよう打ち合わせたい。
血統では、「もはや『おすすめ種牡馬』というのは存在しない」ということを逆に強調したい。
現時点で成績を集計すると一応アグネスタキオンがリードをとっているが、かつてSSがとっていたリードと比べたら無いも同然。1走あたり賞金で見てもあれだけ不安視されていたファルブラヴとほぼ同じだし、それだけ他の種牡馬にチャンスが出てきている。
社台スタリオンステーションのメジャーどころはほぼ等価という印象だが、よく見ると「社台ファーム・ノーザンファーム生産馬が走っている種牡馬」と「他牧場生産馬が走っている種牡馬」の別があるので、その点は意識したい。
最後に、生産者から千代田牧場と白老ファームの好調ぶりに触れておきたい。
このうち千代田牧場については、私自身が指名馬選びの基準を構築しつつあるので、次回の赤本では少なくともシルシ欄に反映させるつもり。
白老ファームが狙いどころというのは以前赤本で触れたことがあるのだが、どうしても話が育成ベースになってしまうので不徹底だった。もう一度特集などで扱ってみたいと考えている。
※重賞の格付けは当面、従来の表記を使用致します。
次回の公開は2008年1月17日(木)の予定です
PROFILE
- 須田鷹雄
- 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。大学在学中に別冊宝島「競馬ダントツ読本」でデビュー。以後、競馬雑誌の急増を受けて競馬ライターとしての活動をはじめる。平成6年、JR東日本に就職し、西船橋駅に配属。平成8年、JR東日本を退社し、本格的にライター業をスタートさせる。各種新聞・雑誌に寄稿するほか、テレビ・ラジオにも出演。POG(ペーパーオーナーゲーム)の達人としても知られ、監修を務める「POGの達人攻略ガイド」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書といわれている。主な出演番組にクラシックパーク(グリーンチャンネル)、ドラマチック競馬(北海道文化放送)ほか。「競馬総合チャンネル」や「netkeiba.com」でもコラムを連載中。
