須田さんのひとりごと
来年の牝馬クラシック戦線を占う意味で重要な阪神JFがもうすぐ行なわれる。ポイントが大きく左右されるGI戦、POGファンにとってもちろん注目度は高い。そこで今回は、過去のデータに基づいた阪神JFの見解と、そこから浮上してきた共通点をPOG的に分析します。
第14回 阪神JFの有力馬からみるPOG的共通点とは?
今回の「ひとりごと」は、ちょっと早いが阪神JFの展望と、POG的に今回の有力馬は指名できたかどうかという話をしていきたい。
まずは通常の展望から。例年と違い、今年は1勝馬の出走が難しい情勢になっている。それだけに、前走のクラス別成績だとか、前走の着順別成績といったデータは使いにくい。
代わりに重視してみたいのが馬体重だ。阪神JFの過去10年を振り返ってみると、馬体重帯別の勝率・連対率は次のようになっている。
| 馬体重 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|
| 400〜419 | 0.0% | 0.0% |
| 420〜439 | 4.9% | 7.3% |
| 440〜459 | 4.9% | 9.8% |
| 460〜479 | 5.7% | 17.1% |
| 480〜499 | 17.6% | 29.4% |
| 500〜 | 0.0% | 0.0% |
400〜419キロは10頭いて3着以内ゼロ。3、4、5番人気馬が各1頭いたが、いずれも馬券の圏外。500キロ以上は4頭のみなので、こちらのほうがいいわけはきく。
少なくとも、500キロ以下に関しては勝率ベースでも連対率ベースでも「大きいほうが強い」という傾向が出ているわけである。
もうひとつ注目したいのはレース間隔。詳しい数値は省略するが、連対率ベースだと中9週以上の休み明けで臨んだ馬が最も高く、中4〜8週→中3週→中2週と下がっていく。
これを単純にまとめると、「レース間隔が開いていてデカい馬がいい」ということになる。
馬体重で有力なのは、カレイジャスミン(牝、父タヤスツヨシ、母ラピュセル、美浦・宗像義忠厩舎)、1勝馬が出られた場合はレーヴダムール(牝、父ファルブラヴ、母レーヴドスカー、栗東・松田博資厩舎)あたり。
つづいてアロマキャンドル(牝、父フレンチデピュティ、母エアインセンス、美浦・河野通文厩舎)、ラルケット(牝、父ファルブラヴ、母アズサユミ、美浦・和田正道厩舎)、ヤマカツオーキッド(牝、父ダンスインザダーク、母ヤマカツスズラン、栗東・池添兼雄厩舎)といったところか。
単純にレース間隔でとると、この中からヤマカツオーキッドが浮かび上がるが、もうちょっと基準を緩くするとアロマキャンドル、ラルケット、出走できた場合のレーヴダムールが注目馬ということになる。
実はこの3頭、いずれもクラブ馬で、しかもPOG人気馬の妹という共通項がある。アロマキャンドルはアサクサゼットキの、ラルケットはクランエンブレムの、レーヴダムールはナイアガラの下だ。
いずれも、兄がPOGで人気になったのはつい最近のことである。にも関わらず、この3頭は今年のドラフトでさして熱い注目を集めていたわけではない。
私を含めてファンが単に飽きっぽかったということもあるだろうが、もうひとつはクラブ馬ということで変な偏見を持たれた面もあったのではと思う。スカーレットブーケのように、同じ繁殖で個人馬主の馬が走りクラブの馬が走らないと、陰謀論のような話になりがちだ。ただ、当歳〜1歳時に完璧に当たりとハズレを選り分ける方法があるわけではない。そこに気をとられるよりは、「いいと思った繁殖牝馬をとことん追いかける」という姿勢が必要なのではないだろうか。
次回の公開は12月6日(木)の予定です
PROFILE
- 須田鷹雄
- 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。大学在学中に別冊宝島「競馬ダントツ読本」でデビュー。以後、競馬雑誌の急増を受けて競馬ライターとしての活動をはじめる。平成6年、JR東日本に就職し、西船橋駅に配属。平成8年、JR東日本を退社し、本格的にライター業をスタートさせる。各種新聞・雑誌に寄稿するほか、テレビ・ラジオにも出演。POG(ペーパーオーナーゲーム)の達人としても知られ、監修を務める「POGの達人攻略ガイド」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書といわれている。主な出演番組にクラシックパーク(グリーンチャンネル)、ドラマチック競馬(北海道文化放送)ほか。「競馬総合チャンネル」や「netkeiba.com」でもコラムを連載中。
