須田さんのひとりごと
アドマイヤテンカは亡くなってしまったが、秋は話題の2歳馬が顔を揃える時季。POGファンにとっても自分の指名馬がいつデビューするのか気になるところだろう。今回は、デビュー間近の社台系有力馬を紹介。来年のクラシックを賑わす存在がこの中にいるハズだ。
第9回 順調に夏を越した社台系有力馬たちがいよいよデビュー
まず最初に、アドマイヤテンカの死亡について触れておきたい。
今年一番の話題馬がデビューを迎えることなくその将来を断たれたことは、残念としか言いようがない。改めて、競馬には悲しい側面も残酷な側面もあるのだということを思い知らされた。我々にできることは、彼の存在を記憶することぐらいしかない。この世代に、アドマイヤテンカという素質馬がいたことをいつまでも覚えておきたい。
さて、秋競馬が始まり、いよいよ「王道デビュー」の時期がやってきた。今年の2歳世代はまだ傑出した馬が見当たらない状態だが、そろそろ本格派デビューの予感がする。
今回は在厩馬から何頭かを取り上げよう。
個人的に楽しみにしているのはプロフェッショナル(牡、父フジキセキ、母アドマイヤライト、栗東・音無秀孝厩舎)。4月に偶然牧場で見たときに気に入った馬なのだが、ここへきて坂路で順調に時計も出ているようでなにより。9月23日阪神芝1800mでデビュー予定。
個人的にも指名していて気合が入っているところでは、ダノンインスパイア(牡、父アドマイヤベガ、母ブゼンキャンドル、美浦・加藤征弘厩舎)が入厩した。この原稿を書く時点で確認が取れていないのだが、おそらく東京開催の最初あたりかと推測する。
もう少しドラフト人気は低かった組で密かに私が期待しているのは、インユアアームス(牝、父ファルブラヴ、母フラッシュウェーブ、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)。函館から美浦へ移って、中山3週目で下ろすようだ。「POGで人気になりながらスベった母」は走る仔を出すことが多く、この馬はまさにそのパターンだ。
以上3頭はすべてノーザンファーム産なのだが、社台ファーム産ではいわゆるベタ良血で在厩している馬が少なく、チョイスに悩む。
そんな中から、まずはフローテーション(牡、父スペシャルウィーク、母ダイイチフローネ、栗東・橋口弘次郎厩舎)。週を追うごとに坂路での時計も詰まってきており、準備万端といった感じだ。先述したプロフェッショナルとデビュー戦がかち合いそうなのが気になるが、五分に戦えるだけの素質はあると思う。
バランスオブゲームなどでおなじみ薗部博之さんの所有馬ビーボタンダッシュ(牡、父クロフネ 、母フサイチエレガンス、美浦・宗像義忠厩舎)も8月はじめに入厩し、乗り込まれているようだ。今季好調のクロフネ産駒、しかも馬運のいい薗部さんとあらば、単なる珍名馬と侮るわけにはいかない。
外国産馬では、ステキシンスケクンの妹、スマートダイス(牝、父Point Given、母Autumn Moon、美浦・畠山吉宏厩舎)もデビューが近そうだ。春に牧場で「パンとすれば走る」と聞かされていたのでこっそり「おすすめ30頭」の29位に入れておいたのだが、むしろ普通の馬より順調に来ている。これならばもっと上位に置いておけばよかった。
次回の公開は9月27日(木)の予定です
PROFILE
- 須田鷹雄
- 1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。大学在学中に別冊宝島「競馬ダントツ読本」でデビュー。以後、競馬雑誌の急増を受けて競馬ライターとしての活動をはじめる。平成6年、JR東日本に就職し、西船橋駅に配属。平成8年、JR東日本を退社し、本格的にライター業をスタートさせる。各種新聞・雑誌に寄稿するほか、テレビ・ラジオにも出演。POG(ペーパーオーナーゲーム)の達人としても知られ、監修を務める「POGの達人攻略ガイド」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書といわれている。主な出演番組にクラシックパーク(グリーンチャンネル)、ドラマチック競馬(北海道文化放送)ほか。「競馬総合チャンネル」や「netkeiba.com」でもコラムを連載中。
