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須田さんのひとりごと

夏競馬もたけなわで盛り上がりを見せる2歳戦。新馬戦をはじめ、ここまでの結果を見るとSS系種牡馬の優位を感じさせるが、その他の系統の種牡馬も続々と勝ち馬を送り出してきている。果たして今後のPOGを担うのはどの種牡馬なのか。POGファンにとっては非常に気になるところだ。

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第6回 ファルブラヴ産駒で狙えるのは社台F産の牝馬!?

7月29日終了時点で2歳戦はのべ66レースが行なわれた。それに対して勝ち馬の父は48通り。SS寡占体制から、混戦の時代に移っていることがよくわかる。

トップはアグネスタキオンで4勝だが、1番人気を裏切ったケースも垣間見え、絶対的な存在というほどではない。最終的に重賞を勝つレベルの産駒を確実に出してくるし、他のSS系種牡馬より一段高い位置にいることは確実なのだが、SSのパフォーマンスまでは真似できない。先述したように様々な種牡馬にチャンスがある時代なので、指名時の穴狙いは意外な種牡馬を選択したほうが、当てたときのカッコよさという見地から良いようにも思う。

2着数で2位となるが、同じく4勝を挙げているのがクロフネ。新馬戦開幕直後のダッシュだけでその後はひと休みになっているが、もともと能力はある種牡馬だ。セールでの産駒価格などもSS系に比べると落ち着いており(たまに突発的に高い馬はいるが)、POゲーマーにとっても狙う価値がある。いま勝ち上がっている馬の中ではポルトフィーノ(牝、母エアグルーヴ、栗東・角居勝彦厩舎)しか該当しないが、母の父SS系とグレイソヴリン系だけ狙えばいいというわかりやすさも魅力だ。

2年目となる種牡馬ではジャングルポケットとタニノギムレットが2勝ずつとまずまずの発進。タニノギムレットは3歳世代での勝ち上がり率が悪かったが、2歳世代については今のところその気配を見せていない。ジャングルポケットは、社台グループで過去に一時代を築いたノーザンテースト、リアルシャダイ、サンデーサイレンスのいずれとも相性が良いというのが武器。今後も安定した成績を発揮すると思うが、特定の配合だけが走るというわけではないぶん、ドラフト的には候補が絞りづらい。

新種牡馬ではコロナドズクエストとゴールドアリュールが3勝ずつでともに好発進。コロナドズクエストは赤本座談会で古谷剛彦氏が触れていたように、外見でパンチの効いた馬が少ないぶん評判になりづらく、そのぶん今後も穴種牡馬として面白いところがある。ただ、父フォーティナイナーの産駒と同様、早いうちは芝をこなしても、最終的にはダートがメインとなっていくことが予想され、ダービールールのPOGでは番組上の制約が立ちはだかる。あくまで下位指名候補ということになるだろう。

ゴールドアリュールはタケミカヅチ(牡、母カズミハルコマ、美浦・大江原哲厩舎)が豪快な差しきり勝ちを収めたことなどもあり、ここへ来て評価が高まっている。同馬は初年度の種付料が200万円でけっこう高いなと思った記憶があるが、SS系種牡馬は配合相手さえ確保できれば、どの馬でも一定の能力を発揮するようでもある。同じ理屈でいくと、再来年のデュランダルあたりも新種牡馬としては狙えるのではないだろうか。だいぶ先の話になってしまうが…。

新種牡馬といえば、一部で第二のエリシオになるのではないかと言われていたファルブラヴが早々に2勝をあげた。ともに1番人気に応えての勝利で、新潟の直線1000mで2着以下を6馬身ちぎったエフティアクトレス(牝、母プライムステージ、美浦・矢野進厩舎)と阪神の芝1200mを逃げ切り、今週のフェニックス賞に出走予定のビーチアイドル(牝、母ビーチフラッグ、栗東・加用正厩舎)だが、この2頭は社台ファームの牝馬で母が短距離馬という共通項がある。

ただし、母系がスタミナ寄りになると人気を裏切っており、母父リアルシャダイでノーザンファーム生産のルージュアルダン(牡、母ミュゲルージュ、美浦・和田正道厩舎)は1番人気3着、母父ダンスインザダークで雅牧場生産のハローマリリン(牝、母ハローサンライズ、栗東・石坂正厩舎)は1番人気5着という結果に終わっており、なんでもアリとは評価できない。系統は全く違うが、社台の牝馬が走るという点で、ダンスインザダークと成功パターンが似ているようにも思える。育成と血統の相性は今後もっと注目されていいテーマだと考える。

最後に、ここまで未勝利で早くも先行きが心配されているシンボリクリスエス。私個人としては、それほど心配しなくていいのではないかと考えている。好位につけ直線でいい脚を使って2着に入ったミッキーチアフル(牡、母チアフル、栗東・音無秀孝厩舎)の新馬戦を見ていると、早い時期にはいかにも向かないという印象。成長曲線だけでなく、短距離の番組が多いというのもディスアドバンテージだ。じっくり待ってマイル以上のレースで下ろされる馬の結果を見て、評価を下すべきではないだろうか。

次回の公開は8月16日(木)の予定です

PROFILE

須田鷹雄
須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。大学在学中に別冊宝島「競馬ダントツ読本」でデビュー。以後、競馬雑誌の急増を受けて競馬ライターとしての活動をはじめる。平成6年、JR東日本に就職し、西船橋駅に配属。平成8年、JR東日本を退社し、本格的にライター業をスタートさせる。各種新聞・雑誌に寄稿するほか、テレビ・ラジオにも出演。POG(ペーパーオーナーゲーム)の達人としても知られ、監修を務める「POGの達人攻略ガイド」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書といわれている。主な出演番組にクラシックパーク(グリーンチャンネル)、ドラマチック競馬(北海道文化放送)ほか。「競馬総合チャンネル」や「netkeiba.com」でもコラムを連載中。

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