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須田さんのひとりごと

ディープインパクトやアドマイヤムーンなど多くのトップホースが取引されてきたセレクトセール。総売り上げでは微減したものの、落札率は昨年を上回る結果となった。POGファンにとっては、未来の指名馬になる可能性が高い馬たち。現場に足を運んでいた須田さんの眼にはどう映ったのか。

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第5回 地力あるシンボリクリスエス産駒は来年以降も注目

気の早い話だが、記憶が曖昧にならないうちにセレクトセール2007・1歳市場の取引馬について、来年のドラフトに向けての備忘録を記しておきたい。

2億5000万円の最高価格になったマイケイティーズの2006(牡、父フレンチデピュティ)は、近藤利一オーナーが絶対に獲るという気迫で競り落とした様子が印象的だった。ただ、馬のタイプはアドマイヤムーンとはだいぶ違う。全体にボリューミーで、ひょっとするとダートの方が得意かもという気もする。ムーンとの比較では同じく近藤利一氏が落札した当歳(牡、父クロフネ)のほうが似ているように思う。

エアグルーヴの2006(牡、父ダンスインザダーク)は、4億9000万円の価格がついた全兄ザサンデーフサイチのちょうど半分の値段。落札したのは金子真人ホールディングス(株)。私は最近、ものすごい反ダンスインザダーク派だと各地で思われているようなのだが、当たれば飛距離の出る血統であることは十分認めている。ザサンデーフサイチにしても馬のデキにはかなりのものがあったし、下ろす新馬戦が違っていたら歴史が変わっていた可能性もある。そう考えると、この値段は高すぎるということはない。

エヴリウィスパーの2006(牡、父ジャングルポケット)は、純粋に馬のデキで価格3位にまで食い込んだので、当然ながら高く評価したい。落札したのは島川隆哉氏。まさか1億7000万円までいくとは思わなかったが、最低でも8000万くらいはいくだろうというのがセール前からギャラリーの一致した意見だった。

フサイチエアデールの2006(牡、父クロフネ)は全兄のフサイチリシャールより伸びがあって、距離の融通もききそう。落札したのは(有)ローズヒル。クロフネは社台SSの主要種牡馬の中では、産駒のパフォーマンスに市場の評価が追いついていない種牡馬なので、この馬に限らず産駒全体に注目したい。

1億円未満の馬ではシンボリクリスエス産駒で、オークス(GI)2着馬ベッラレイアの半弟ピンクパピヨンの2006に注目したい。落札したのは金子真人ホールディングス(株)。シンボリクリスエス産駒は今シーズンの勝ち上がりが遅れているためファンの評価も下がりつつあるが、時期的な問題ではないかと思う。本来はじっくり待って距離のあるところで下ろすべき産駒が多いのに、今年は暖冬で仕上がる馬が多かったこともあり、短い番組しかないところで下ろされるケースが目立つ。それでも新馬2着馬を多く出しているあたり、地力があるのだろう。

その他、種牡馬では当歳市場も含めてキングカメハメハの人気が意外に低く、一方でネオユニヴァースの人気が堅調だった。

また、持込馬が高くなりがちなのは例年通り。さらに、今年はブラックタイプが派手な「分かりやすい良血」がデキや肢勢を無視して高くなってしまうケースも目だったように思う。一方で馬のデキをしっかり吟味するオーナーも増えているので、「この血統のわりに高いな」と思った馬については、それだけデキがいいのだと期待してよい。

次回の公開は8月2日(木)の予定です

PROFILE

須田鷹雄
須田鷹雄
1970年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業。大学在学中に別冊宝島「競馬ダントツ読本」でデビュー。以後、競馬雑誌の急増を受けて競馬ライターとしての活動をはじめる。平成6年、JR東日本に就職し、西船橋駅に配属。平成8年、JR東日本を退社し、本格的にライター業をスタートさせる。各種新聞・雑誌に寄稿するほか、テレビ・ラジオにも出演。POG(ペーパーオーナーゲーム)の達人としても知られ、監修を務める「POGの達人攻略ガイド」(光文社刊)は、POGユーザー必携の書といわれている。主な出演番組にクラシックパーク(グリーンチャンネル)、ドラマチック競馬(北海道文化放送)ほか。「競馬総合チャンネル」や「netkeiba.com」でもコラムを連載中。

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